ANAGOブログ

とんでもなく平凡なアラサー女性のブログ。私のリアルな日常のあれこれ。

食べられる、食べられない

 こんばんは。穴子です。

 

今日はお休みだったんですが来月に予定されている懇話会の資料作りをしていました。

 

その後は久しぶりにジムへ行き、一汗かいて。実家に帰りおいしい牛肉をいただきました。

 

なんて平和な日曜日なんでしょうか。

 

そして

 

毎日思いますが、当たり前に体が動いて自分のやりたい事ができるって、本当に奇跡かつ幸せな事ですよね。

 

 

さて今日のテーマは久しぶりにリハビリ関連です。

 

 

食べられる、食べられないの判断てどうやってするの?

 

 

脳卒中の後遺症の1つに ”摂食嚥下障害” があります。

 

 

摂食嚥下とは「食べ物を認知して口に運び、よく噛んで、胃に送り込む」一連の動作のことです。

 

 

この一連の動作は脳が司令塔となって行われていますので、脳の病気の後はかなりの頻度で出現する症状です。

 

 

(いわゆる摂食障害と言われる、過食症や拒食症とはジャンルが違います)

 

 

私は普段回復期病棟と言われるリハビリをメインに行う病棟にいます。

 

 

急性期病院(救急車で運ばれて最初に入院する病院)では摂食嚥下障害患者は約50%を上回ると言われ、約半年後には5%程度まで減少すると言われています。

 

 

この”半年間”を回復期病棟で過ごします(ザックリ言うとですが)。

 

 

なので、回復期病棟は入院当日は経鼻経管栄養(鼻から胃にチューブを入れ高カロリー栄養剤を流し込む)でも、自然治癒やリハビリの補助を受けて退院時には常食を食べて帰るといったケースも多くあります。

 

 

 

 

 

しかし、残念ながら経鼻経管栄養でしか栄養を取れない方や併用して栄養をとっていくという結果になる方もいらっしゃいます。

 

 

飲み込みの能力を評価(検査)する専門的な方法は様々ありますのでそれはまたの機会にするとして…

 

 

今日は「予後予測」に焦点を絞っていきたいと思います。

 

 

ある程度の見通しを立てることを予後予測と言います。

 

 

この摂食嚥下に関する予後予測で大切なポイントが

 

 

・年齢:若い方が良い

・しっかりと覚醒しているか?

・食事をするだけの集中力は保たれているか?

・唾液が飲み込めているか?

・入院した時点で日常生活動作がある程度自立しているか?

・また経過と共にめきめきと改善しているか?

 

 

上記した項目だそうです。

 

 

回復期病棟に入院した時点で比較的若くて(60歳代)、食べられないけど運動能力はある程度回復していて車椅子だけど立位はとれたり介助があれば少し動けるといった方はある程度食事も食べられるようになるといった事が予測されます。

 

 

反対に、まだ覚醒も安定せず、いわゆる寝たきりの方は退院時期までに食事を摂れる可能性が低い傾向にあり”お楽しみ程度”の食事(ゼリーやプリン等そのまま喉に流れる物)に留まることが多いことが予測されます。

※2017年の文献なので比較的新しい情報です。引用文献載せてません。

 

 

これは実際に現場で身をもって感じます。年齢は…そんなに気になりませんが、やはり覚醒や集中力がないという”食事以前の問題”を抱えている方の回復は割りと厳しいかなと。

 

 

動作能力が高いとか体力があるというのは立派な回復できる要因というのも納得です。

 

 

 

個人的には

 

 

・「食べたい!」と本人が強く望んでいる

・口の中が清潔に保たれている

 

 

といった2つもかなり大きなポイントになると思います。

 

 

いくら元気でも本人が食べたがらない時は、なすすべ無し。

 

 

時々あるんですが、家族は意地でも食べさせたい、でも本人は絶対食べたくない(認知症の方に多い傾向)といった状況。

 

 

こちらとしては本人の意思を尊重したい(それが寿命ということです)のですが家族のプッシュが強いー。という苦しい時もあります。

 

 

食べたくない人は絶っっっ対食べないですからね

 

 

何だか話がそれましたが、専門的な知識がなくても上記のポイントで診ることで

 

 

 

予後予測をし、ある程度の「食べられるのか、食べられないのか」の(仮)判断をすることが出来ます。

 

 

もちろん、症状は本当に人それぞれで病気の経過も十人十色。

 

 

記載した予後予測を覆す方も沢山いらっしゃるのが現場の実際です。

 

 

あくまで目安として参考にしてもらえたら幸いです。

 

 

食べることは、生きること。

 

 

摂食嚥下の分野はとても興味深い分野です。